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2012 REPORT

映画「扉のむこう」上映+ローレンス・スラッシュ監督のトーク

複雑な社会のテーマを扱って、世界的に注目されている若手のローレンス・スラッシュ監督を迎えます。

彼が日本での制作した「扉のむこう」の上映し、映画制作について語っていただきます。

映画「扉のむこう」上映+ローレンス・スラッシュ監督のトーク

6月27日(水)午後5時
レクチャールーム/12号館201教室

ローレンス・スラッシュ
監督/脚本

ロンドン出身の イギリス人ディレクター。 現在はロサンゼルス在住。 2000年、キューバの闘鶏をテーマにした初のドキュメンタリー、”FIDEL’S FIGHT”を監督プロデュース。この作品は、カーロヴィー・ベアリー国際映画祭、ダブルテイク・ドキュメンタリー映画祭などにノミネートされ、2001年のニューヨーク・インディペンデント映画祭では最優秀撮影賞を受賞。

2002年、メキシコの違法堕胎をテーマにしたThe Pro Choice Education Projectの公共広告コマーシャルシリーズを手がける。このシリーズ広告が注目を浴び、続いて The National Coalition to Abolish The Death Penalty(全米死刑廃止連盟)、Physicians for Social Responsibility(拳銃による暴力を反対するグループ)、Domestic Violence AwarenessMonth(家庭内暴力意識月間)、Cures Now(ジェリー・ザッカー率いる幹細胞主義を主張するグループ)の公共広告コマーシャルの脚本・演出・プロデュースを手がけることとなる。

2003年、クリオ広告賞とカンヌ・フィルム・フェスティバルにて、ベスト・ヤング・ディレクター賞にノミネートされる。 2004年には、ロンドンの紳士服テイラーのティモシー・エヴェレストとマーク・パウエルの劇場用コマーシャルも手がけ、ティモシー・エヴェレストの作品は、2004年のロンドン国際広告賞のブロードキャスト部門の最優秀新人監督賞に選ばれる。同年、ミラービール協賛のESPNのブランド・キャンペーンも手がける。このキャンペーンはCreativity誌が発表した2004年度トップ・ブロードキャスト・キャンペーンの一つに選ばれ、クリオ賞、ニューヨーク・アートディレクターズ・フェスティバルを含む世界的な舞台で評判を得る作品となり、カンヌではブロンズ賞を受賞する。

最新作は、カリフォルニアを舞台に老人の孤独死をテーマにした映画”Pursuit of Lone
liness”(http://pursuitofloneliness.com/)

映画「扉の向こう」Left Handed

製作年:    2008年

上映時間:1時間50分
モノクロ
配給:サイズ
http://tobiranomuko.com

『扉のむこう』は英国人監督ローレンス・スラッシュの長編デビュー作であり、SIZEの
エグゼクティブプロデューサー齊木貴郎との共同製作である。アメリカ人アーティスト
、PAN AMERICANが音楽を提供。キャストの殆どに役者ではない一般人が起用され、

力のこもった物語構成でありながらも、ドキュメンタリーの要素が織り込まれている。

古典的イタリアのネオリアリズムの影響を受けたスタイルである。

 

主人公を演じる根岸健太は、この映画が撮影された当時、埼玉県に所在する「りんごの
木」の生徒であった。「りんごの木」とは増田良枝が登校拒否の学生や、元ひきこもり
であった若者を対象に設立した非営利活動団体である。

不満を抱えた十代の少年、宏は学校で問題を抱え、ある日突然自分の部屋に閉じこもっ
てしまう。 その後2年もの間、部屋から出る事を拒否し、誰も中に入れようともしな
い。宏の両親はそのことを恥じ、友人や親戚にも事実を隠そうとする。当然のことなが
ら、家庭は次第に崩壊してゆく。この物語は、日本独特の社会現象といえる「ひきこも
り」をテーマにした作品であるが、この「ひきこもり」と呼ばれる日本の若者の数は、

百万人にものぼると言われている。

「ひきこもり」は日本において、大きな問題となっている。社会から離脱する「ひきこ
もり」は無秩序状態とされ、近年この状態に陥る若者が増え続けている。 社会との関
わりを遮断した若者は、多くの場合、自らの部屋に閉じこもり、外部との一切の接触を
拒む。昼夜が逆転し、昼間は眠り、夕方になると起きだし、夜通しテレビを見たりビデ
オゲームをする生活を送る。コンピューターや携帯電話を所持するものもいるが、多く
は友達も殆どいない。この鬱状態が数ヶ月、極度の場合は何年も続く(詳しくは「ひき
こもり」のページ参照)。 両親は、ソーシャルワーカーや心理学者に助けを求めるより

も、その事態を恥じ、周囲から事実を隠そうとする。

物語は、主人公である宏がひきこもるまでを描いたシーンの連続で始まる。彼が部屋に
ひきこもってからは、彼の姿を見ることはなく、彼の家族、主に母親の淑子に焦点を当
てる。手に負えない息子の行動を持て余し、長い間ひきこもる息子の言いなりにならざ
るを得ず、息子の為に食事を用意したり要求をかなえ続け、近所の人や友達の前では平
静を装い続ける。宏の部屋の中の描写は殆どなく、中と外を隔てるバリアといえる扉の
外にいる淑子の立場で語られる。長男の宏と淑子はお互いに依存関係にあり、それは日
本の息子と母親の間にはよく見られる傾向である。父親はいつも仕事で家には殆ど居ら
ず、淑子と宏はますます互いに依存関係に陥る。淑子は宏が生きていく限りずっと、そ
のように面倒を見続けるかのように感じられる。

 

 

 

 

映画『扉のむこう』(Left Handed)

不満を抱えた十代の少年、宏は学校で問題を抱え、ある日突然自分の部屋に閉じこもっ
てしまう。その後2年もの間、部屋から出る事を拒否し、誰も中に入れようともしない
。宏の両親はそのことを恥じ、友人や親戚にも事実を隠そうとする。当然のことながら
、家庭は次第に崩壊してゆく。この物語は、日本独特の社会現象といえる「ひきこもり
」をテーマにした作品であるが、この「ひきこもり」と呼ばれる日本の若者の数は、百
万人にものぼると言われている。

「ひきこもり」は日本において、大きな問題となっている。社会から離脱する「ひきこ
もり」は無秩序状態とされ、近年この状態に陥る若者が増え続けている。社会との関わ
りを遮断した若者は、多くの場合、自らの部屋に閉じこもり、外部との一切の接触を拒
む。昼夜が逆転し、昼は眠り、夕方になると起きだし、夜通しテレビを見たりビデオゲ
ームをする生活を送る。コンピューターや携帯電話を所持するものもいるが、多くは友
達も殆どいない。この鬱状態が数ヶ月、極度の場合は、何年も続く。両親は、ソーシャ
ルワーカーや心理学者の助けを求めるよりも、その事態を恥じ、周囲から事実を隠そう
とする。物語は、主人公である宏がひきこもるまでを描いたシーンの連続で始まる。彼
が部屋にひきこもってからは、彼の姿を見ることはなく、彼の家族、主に母親の淑子に
焦点を当てる。手に負えない息子の行動を持て余し、長い間ひきこもる息子の言いなり
にならざるを得ず、息子の為に食事を用意したり要求をかなえ続け、近所の人や友達の
前では平静を装い続ける。宏の部屋の中の描写は殆どなく、中と外を隔てるバリアとい
える扉の外にいる淑子の立場で語られる。長男の宏と淑子はお互いに依存関係にあり、
それは日本の息子と母親の間にはよく見られる傾向である。父親はいつも仕事で家には
殆ど居らず、淑子と宏はますます互いに依存関係に陥る。淑子は宏が生きていく限りず
っと、そのように面倒を見続けるかのように感じられる。

 

<映画祭上映・受賞>
2008年 ロードアイランド国際映画祭 ファーストプレイス賞
2008年 ターリン ブラックナイツ映画祭 公式上映
2009年 ロッテルダム国際映画祭 公式上映
2009年 ロサンゼルス ジャパン映画祭 ベスト フィーチャー賞
2009年 ロサンゼルス アジアパシフィック映画祭 公式上映
2009年 ミラノ映画祭 ベスト フィーチャーフィルム賞
2009年 アジアフォーカス福岡国際映画祭 公式上映
2009年 モントリオールヌーヴォー映画祭 公式上映
2009年 リヨンアジア映画祭 ジュニアジューリー賞
2009年 ラクイラ国際映画祭 ベスト フィーチャー賞