芸術に関わり働くことについての連続講座「雲を拾う」第一回
9月17日(火) 17時より
レクチャーとワーク
ゲスト:吉澤弥生
会場:CSLAB
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これを書いている私は2022年に東京造形大を卒業し、今はコマーシャルギャラリーとCSLABで働いています。私自身もそうであるように、専門的美術教育の有無を問わず制作しながら働いたり、芸術に関連したところで働きたいという人達が近くにいる環境です。
その中で実感するのは、制作もするし働きもするという選択肢には含みがあまりに多く、大学や求人サイトからアクセスできる芸術に関連した職や仕事についての情報は限定的で、見える範囲から働き方のロールモデルを参考にしつつ日々を保つという判断になりやすいということです。
頑張るしかないとか、個人の能力次第だとかいった結びになってしまわない、芸術に関連した「働くこと」を少し広い規模で考えられる機会がほしいと考え、この企画を立てました。
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第一回では芸術社会学を専門とする社会学者の吉澤弥生さんを招き、芸術に関連した労働について聞いたり話したりする場としてレクチャーとワークを行います。
ワークは座談会形式です。関心や目前にある問題と社会的構造の関連を検討・カテゴライズしたり、問題像を捉えやすくしたり、共有の方法や言葉を探ったりしてみましょう。
それぞれの「分からなさ」を再検討して、芸術に関わる際の労働条件や立場の複数性、時間の使い方、働き方など、像がぼんやりとしている現状への多角的な認識を図ります。
その中で、分からないことへ取り得る判断をはじめとした、主体的なアプローチや他者の助けを借りるといった実質的な言動の基礎を積む機会や、
組織での自分の立ち位置や視点を確かめつつも、どうありたいのか自身の言葉で話すことを大切にできる場を目指しています。(CSLAB 綱川)
◯第一回で挙がった内容をもとに次回以降のゲストを招く連続講座を予定◯
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吉澤 弥生
共立女子大学文芸学部教授。専門は芸術社会学。労働、政策、地域、運動の視座から現代芸術を研究。
近著に「芸術労働者の権利と連帯」『未来のアートと倫理のために』(山田創平編著、左右社、2021)、「アートはなぜ地域に向かうのか ー『社会化する芸術』の現場から」『フォーラム現代社会学』18号(関西社会学会、2019)、単著『芸術は社会を変えるか? —文化生産の社会学からの接近』(青弓社、2011)、調査報告書『続々・若い芸術家たちの労働』(2014)など。