CSLAB
2019 REPORT

CSLAB×MELLOWージェンダーに関する観察と実践ー

全5回 17:20~20:00(予定) 

1回目 5/23

2回目 5/30 

3回目 6/6 

4回目 6/20 

5回目 7/4

 

講師:津賀 恵 Megumi TSUGA

 

MELLOWは東京都内で開講されている、女性学、ジェンダー、フェミニズム等についての講義を掲載するwebサイトで、アーティストの津賀恵とデザイナーの神田めぐが共同で制作し公開されています。津賀恵さんを講師に全5回の連続講座を行います。

今、私たちの周りには、女性が直面する沢山の問題があります。

それらの多くは、アップデートされない「当たり前」と、それを許容してしまっている諦めや無関心によって、長年存続させられているものです。

大学に関連するニュースに例を絞っても、東京医科大学の女性受験者一律減点問題や、週刊SPA!が掲載した「ヤレる女子大生ランキング」の記事など、昨年は他にも女性蔑視の色濃い事例が多数報道されました。

依然として家父長制を基とする社会構造の中でのジェンダーバイアス(性的偏見)、性差別的な発言を良しとする惰性的な習慣の存在に、目も耳も覆いたくなった人も多かったのではと思います。

 

しかしその一方で、私たちの周りには、これらの問題を解消するために継続して行われている取り組みや活動、先人が戦ってきた行為の記録、蓄積があります。

また最近では、SNS上のタイムラインにおいて、ハッシュタグのついた声、固着化した性差別的慣習に変化を呼びかける運動も多く見かけます。

 

いずれの場合においても、顕在化した事例について意見を交わし続けるのは大切なことです。

在る事象がなぜ「今」在る/起きているのか考えることは、各自の生活の中に横たわる切実な問題に、向き合い直す機会に繋がります。

足元に在る問題に対して自分はどのように前向きに関わっていくことができるのか。

それぞれの方法を考え、それぞれに実践していけたら、ポジティブな変化の連鎖が起きるかもしれません。

 

この度のCSlab × MELLOW 連続講座では、虫の目、鳥の目、魚の目の視点を導入し、東京造形大学内のジェンダーに関する観察と実践を行います。

虫の目、鳥の目、魚の目というのは、多角的な視点作りを指南する際に用いられている例えです。政治や経営の場面で使われることが多いようですが、それぞれ、虫の目(詳細をじっくりみる)鳥の目(俯瞰してみる)魚の目(流れを読む)の意を含みます。

今回これらの視点は、東京造形大学内でジェンダーに関する観察を行う上で、自分の動き方≒アウトプットを考える上でのストレッチとして取り入れたいと思います。

 

第1〜3回では、虫の目、鳥の目、魚の目の視点を通してもう一度、自分たちのいる場所(造形大学から始めましょう)のジェンダーにまつわる事象について観察してみることから始めます。

そして第4、5回では、参加者は自分の属する場所や環境をより居心地良くするための一手を考え、可能なものは実践してみます。それは、悪口を言う前に疑ってみることにするだとか、図書館で本の購入希望をだすなどの極私的な試み、または次回の作品の構想であったりするかもしれません。(お好きなように!)

 

集まった人々と話し、自分のいる場所を見直し、今ここで何ができるのか考えるための好機になればと思います。

 

第三回では、アーティストの滝朝子さん、坂本夏海さんと本間メイさん(スカイプ参加)をお招きし、お三方の活動紹介とディスカッションを行います。

滝朝子さんは多文化共生の支援や交流を実践しながらの参加型プロジェクトの企画、NPO ARDA事務局長としてアートコミュニケーションの機会の創造など、多岐に渡る活動をされています。

坂本夏海さんは2019年からスコットランドを拠点とし、現地の魔女狩りと迷信についてリサーチをもとにドローイング、映像作品、インスタレーションに取り組んでいます。そして本間メイさんはインドネシアと日本を拠点に、両国の歴史的関係のリサーチをベースとした映像作品、インスタレーションを制作しています。

滝さん、坂本さん、本間さんをメンバーに含むBack and Forth Collectiveは、リサーチを基にした制作活動を行うアーティストが中心になって活動するコレクティブです。

2019年3月には黄金町エリアマネジメントセンター K-Libraryとのコラボレーション、ジェンダーに関するライブラリーをオープンし、グループ展「Re:open body」(高架下スタジオSite-Aギャラリー, 2019)やトークイベントの企画を行いました。また、昨年にBack and Forth Collectiveが企画開催した展覧会「Quiet Dialogue:インビジブルな存在 と 私たち」(東京都美術館, 2018)では、「社会的役割としての性別とは何か」の根底を共有すべく、異なる女性の在り方を考察した作品に焦点を当てました。

それぞれにジェンダーの視点を取り入れながら制作活動をしているゲストの皆様には、自身の活動紹介、気になることに踏み出し、そこからどのようにアウトプットに繋げていったかを重点的にお話していただきます。

また、各自異なる興味やバックグラウンドを持ちながらも、緩やかに他者と繋がりながら活動をする三名の話を聞くことで、講座参加者には様々な動き方の可能性を知ってもらいたいと思います。

 

 

お問い合わせ:zokei.cslab@gmail.com

 

 

 

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